なちぐろ アーカイブス

ヒカ碁二次創作のお話置き場です(ヒカル少女化注意)

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2015-01-01から1年間の記事一覧

せんや・いちや

あらびあんないとにしてはへっぽこすぎます。

こんなとき アイツだったら

近頃は 進藤と顔をあわせることも、そう頻繁ではなくなった。 お互いのスケジュールが過密気味なのだ。 都内にいる日なら、大抵は、会おうと思えば会うことは出来る。だがやはりどうせ会うのなら、碁盤を挟んでの方がいい。 そうして当分の間をお互い会わず…

塔矢アキラと別れる方法

塔矢が何となくオレと結婚しようと思ってることは気付いていたんだだって 何かと礼儀についてうるさく言うようになったし料理が出来ないといえば 簡単なものでいいからできるようになれ、と本や、明子さんの筆跡と思しきレシピを渡されるし

アキラ対メカアキラ

20XX年 東京(主に市ヶ谷周辺)は、度重なるアキラの襲来によって、壊滅的な被害を被っていた。 防衛軍指揮官・緒方精次は、対アキラ兵器・棋龍(きりゅう)を開発、それを操るパイロットに防衛軍の新米兵士、進藤ヒカルを任命した。

片翼で虚空を

※ 病をネタにしているうえに一名様お亡くなり設定なので注意

ラーメン大好きヒカルちゃん

とある水曜日。 手合日で棋院にきていたヒカルは目の前を歩く塔矢アキラに気付いた。 向こうはこちらの存在に気付くことなくサッサと歩いている。 声をかけようと思って近付いたが。 背筋を伸ばして上品に歩く、彼にしてみればごく自然体のその姿にイタズラ…

ここさん あとがき

ご高覧御礼 ここさん やっと完結です。 ダラダラ書いたお話にお付き合いくださり ありがとうございました。 …と、もう日記やチャットやTwitter、あちこちでぽろぽろ書いてるのが、見て見て感ありすぎて自分でも痛いですがすみません。 あまりに間を開けすぎ…

GEMINI

※ヒカルが男の子で ヒカアキ風味です ほぼ真上近くの 冬の夜空に輝く 青白い星と金色の星 「あの二つが、双子の星だ。」 ボクが指差す方を見上げて、進藤は両手に握った缶コーヒーをひと啜りする。 「フーン」 暖かい呼気のせいで、進藤は返事のついでに鼻か…

ここさん 47(完)

疾風のように現れて棋譜ならべを披露した女性記者が、再び疾風のように大阪へと去った後。 「へェー、そう。 なんとも忙しないねェ… 大場より急場、ってかい?」

ここさん 46

ヒカルがゆったりとお茶を嗜んでいたと同じころ。 穏やかな湾岸に淡路島を臨む広大な別荘では、白い洋装に身を包み、夏の休暇を楽しむ裕福な人々に囲まれ、指導碁に模範対局に囲碁談義に と駆り出されたアキラと清春。

ここさん 45

軽く掃除を済ませた庭は光を浴びて、庭の花々を躍る胡蝶に揚羽、蜜や花粉を求める働き者の蜂、高いこずえからはシャワシャワと聞こえ出す蝉の声

ここさん 44

検討も、もうお終いか という貴賓室。夏の長い日が、そろそろ終わろうとしていた。 新聞社で行われていた東西新人対局は、若手の棋士同士の碁には珍しく、一日かけての対局となったが

ここさん 43

部屋の戸が開く音がして、先ほど対局の二人が戻ってきた。悔しさもあるだろうに、白番だった男は戸惑う対局相手を先に立たせ、続いて部屋に入ってきた。

ここさん 42

決勝戦。先手を取ったヒカルの碁は 準決勝の一局とは打って変わってゆったりと始まった。

ここさん 41

取材は相変わらず許されなかったが、渡り廊下を挟んだ一室を使って検討が始まった。

ここさん 40

一方大阪では。 社清春と塔矢アキラの対局が、新聞社の最上階、貴賓室にて行われようとしていた。外は夏の好天、部屋にはやや高い天井に取り付けられた舶来の回転扇が周り、穏やかに風を送ってくる。南と東の壁に並ぶ縦長の窓は開け放たれて日除けのカーテン…

ここさん 39

「さァて、まずはなんとか取材を取り付けたでェ…、 しかし、かなわんなァ、“選抜の手合は立ち入り禁止、取材相手は運営の人間と、対局予定の終了した者”…って敗者てことやな。まァわからんコトではないなァ…」 スーツの腕に〈報道〉の腕章をたくし上げ、カメ…

ここさん 38

「先輩、ウチに取材に行かせとくなはれ。」 はあ?と先輩記者は驚いて聞き返す。 「取材って、そらァオマエも記者の端くれのつもりやろけど」 まだ一人前の記事を書いた事も無い者が、しかも女が囲碁将棋の記事を書くとは、笑う。

ここさん 番外編そのさん

「こーうすっけはーん …うーちましょー」 返事を待ったが答えは返らず、ヒカルは、ぱん、ぱん と、かしわ手を打ってみた。それでも返事はなく 「……もひとつせェー…、」ぱん ぱん 「祝ゥてさんど」ぱ ぱん ぱん 「ヒトをえべっさんみたいに呼ぶな!」

ここさん 37

「越智君、 ……ちいと可哀想な子ォかな。」 「…はあ。」 あの時はそんな会話で終ったが、果たしてヒカルの師匠は一体誰なのか、わからずじまいだ。

ここさん 36

康介はまた、丘の上にある中学に向かって歩いていた。 恩師に言付かったことがある、と言って出かけては来たが、未だ先方への答えを決めかねたままだ。 そもそも恩師に会うなら在宅中に家に訪れればいいのだが、中学への道沿いには、ついでに寄ってもいい、…

ここさん 35

ここは大阪、 吉川 と表札のある、一軒の家。 夜中というのに、どたどたと騒々しい足音が狭い階段を上がってくる。 「オイ、そっち支えたれ」 「ふう、重いのう、こんなガタイしくさって、酒回るのが早すぎじゃ」 「しゃあないて、コイツの祝いじゃ言うてエ…

ここさん 34

「伯父さん、お願いがありますのやけど。」 夕食の前に、ヒカルは、伯父の前に三つ指を付いた。 伯父が晩酌の盃を持つ手を止めて、ガラにも無くかしこまっているヒカルをチラリと見る。 「碁ォの勉強、させとおくれやす。」

ここさん 33

「あーそう、そういう事。」 座敷でいつもの場所に落ち着いた康介は、大きく息を吐きながら、汗ばんだ顔を拭う。 眼鏡をかけなおしながら、ヒカルから受け取った葉書を眺め、しばらく険しい顔で思案していたが 「なるほどね。」 片眉をピクリと動かした。

ここさん 32

ふと覗いた店の厨房は、店に置く菓子や注文の品々を作り終えて、がらんとしている。 「康介はん、時間ありやんすのやったら、久しぶりにコレちょっと、しゃーれんか。」

ここさん 31

葉書を書いた日から、ヒカルは郵便受けが気になって仕方がない。まだ相手に届いたかどうかもわからない頃だというのに、中を覗いたり、郵便屋を待ち待ち、周りを掃いてみたり。 おかげで玄関先、特に郵便受けのあるあたりはやたら綺麗に清められている。

ここさん 30

さて、かつて藩御用達の和菓子屋だった越前屋の由緒ある盆栽の一件は、賭け碁の末に不問とされた。それからしばらく後。

ここさん 29

ヒカルは対局を終え、碁石をきれいに片付けた後も碁盤を見下ろしていた。 やや上気してふやけたような顔は、長風呂でのぼせたようにも見える。

ここさん28

翌日、ヒカルは家の仕事をせっせとこなしていた。 「今日は早よから、えらいはりきってやんすが?」 従妹が不思議そうに言った、そのとたんに がっちゃん。 「あああ…!」ヒカルは慌てて割れた皿を拾い、肩越しに伯母の様子を伺った。

ここさん 27

「バカじゃないのか。今、負けたばかりで、あの態度は何だ。」 ヒカルが姿を消したあと、誰もいないのに、あの癪に障る笑顔がまだそこに残っているような気がしてならず、康介は庭木戸に向かって文句を垂れてみた。