読み切り
「そんじゃ行こうか」 ヒカルはイグニッションのキーをひねり、エンジンをかけた。 助手席では丁寧にシートベルトを調えながらバックルをはめるアキラが 「もう少しキチンとやったらどうだ。」 ヒカルを横目に見ながら言った。 「キチンとってナニをだよ。 …
「後援会ィ?」 ある日の午後、素頓狂な声が塔矢名人経営の碁会所に響いた。 「ダレの?」
あらびあんないとにしてはへっぽこすぎます。
近頃は 進藤と顔をあわせることも、そう頻繁ではなくなった。 お互いのスケジュールが過密気味なのだ。 都内にいる日なら、大抵は、会おうと思えば会うことは出来る。だがやはりどうせ会うのなら、碁盤を挟んでの方がいい。 そうして当分の間をお互い会わず…
塔矢が何となくオレと結婚しようと思ってることは気付いていたんだだって 何かと礼儀についてうるさく言うようになったし料理が出来ないといえば 簡単なものでいいからできるようになれ、と本や、明子さんの筆跡と思しきレシピを渡されるし
20XX年 東京(主に市ヶ谷周辺)は、度重なるアキラの襲来によって、壊滅的な被害を被っていた。 防衛軍指揮官・緒方精次は、対アキラ兵器・棋龍(きりゅう)を開発、それを操るパイロットに防衛軍の新米兵士、進藤ヒカルを任命した。
※ 病をネタにしているうえに一名様お亡くなり設定なので注意
とある水曜日。 手合日で棋院にきていたヒカルは目の前を歩く塔矢アキラに気付いた。 向こうはこちらの存在に気付くことなくサッサと歩いている。 声をかけようと思って近付いたが。 背筋を伸ばして上品に歩く、彼にしてみればごく自然体のその姿にイタズラ…